隔膜ガルバニ電池式センサー Galvanic cell

 

Cosmos

http://www.new-cosmos.co.jp/technology/sensor/galvanic/index.html

 

 

  

 

 

  

 

 

[ 構造図 ]

 

[ 出力特性 ]

   携帯用や工業用の酸素濃度計に搭載されるセンサです。取り扱いが簡単で、ガスの検出に際して外部電源を必要としません。

 

■検知原理

2つの電極(Pt-Pb)と隔膜、電解液で構成された電池の反応物質として酸素を利用した時に生ずる反応電流を測定:酸素分圧//電流。

O + 2e− →  O2−

Pb → Pb2+ + 2e−

 

 

■特長

@ ガスの検出に際して外部電源を必要としません。

A 取り扱いが容易で普及性があります。

B 出力が酸素濃度に比例し、40vol%までほぼ直線です。

 

 

■主な検知対象ガス

酸素

 

 

 

 

 

 

原理:

『電池−酸化還元電位』

懐中電灯やウォ−クマンにはマンガン電池やアルカリ電池、自動車には鉛蓄電池腕時計には銀電池やリチウム電池・・ などが 充電電池ではニカド電池がよく使われています。最近は容量のさらに大きいニッケル水素電池が脚光を浴びています。これらはいずれも 1.2Vで乾電池の1.5Vより電圧が低いのが特徴です。またリチウムイオン電池も実用化され携帯電話や携帯パソコンなどに使われるようになっています。 今回は電池とその基となる酸化還元電位について話を進めて行きます。

「ガルバニ電池」

身の周りには多くの電池が使われています。ガルバニ電池を例に取り 電池の作用を考えてみます。

イオン化傾向は

K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>Ni>Sn>Pb>H2 >Cu>Hg>Ag>Pt>Au となり

 例えばZnはCuより イオンになりやすいと学んできたと思います。

 

例えばCuSO4の溶液に金属Znの板を浸すと、

  Cu2+ + Zn → Cu + Zn2+の反応が起こり銅が析出し、亜鉛がイオンとなって溶けていくわけです。

 

この反応は Zn       → Zn2+ +2e- 酸化反応

      Cu2+ +2e- → Cu       還元反応

に分けることができます。この反応で電子の移動が起こっています。 ここでは同じ溶液内で電子の授受が行われていますが

           -----------(V)---------

        Zn*    ================     +Cu

        | *     ||  |             |  ||     +  |

        | *         |            |         +   |

        | *  NO3-|            |NO3- +  |

        |    Zn2+  |             |Cu2+      |

     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄              ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

Zn****は亜鉛電極 Cu++++銅電極 ======は塩橋

 

塩橋とは例えば寒天やゼラチンを10%KNO3で飽和して半固形にしたものです。(実際この塩橋で電池を作るとすぐにだめになります) 上図のような装置を組み立てると電子は---(V)---を通って移動します。銅は+極(カソ−ド)、亜鉛は−極(アノ−ド)となります。

電池はイオン化傾向の違いを利用した小さな化学反応装置といえます。 ZnNO3とCuNO3/の濃度が1mol/lのとき(V)の電圧計は1.1Vを示します。

このように電池はCuとZnの間のイオンになり易さの差を利用して 電気を取り出しています。

 

 

上の電池を式で表すと

 (−)  Zn|Zn2+(1M)‖Cu2+(1M)|Cu (+)

と表します。‖は塩橋を表しています。 式の側は酸化される側の半電池、右側は還元される側の半電池を表しています。

「酸化還元電位」

先ほどのガルバニ電池を測定すると1.1Vの電圧が得られると説明しましたがこれはどの様になっているのでしょうか? 実は得られる電位はいつも一定ではなく、[Zn2+]や[Cu2+]により変化してくるのです。

この電位(起電力)Eは   E=E°−(RT/nF)ln([Zn2+]/[Cu2+])と表されるのです。

また25℃では E=E°−(0.05913/2)log([Zn2+]/[Cu2+])。

 

この式はネルンストの式と呼ばれ、R:8.3145 JK-1 mol-1

F:96485 C mol-1、T:温度(K)です。n=2

E゜は標準起電力といい [Zn2+]=[Cu2+]=1mol/l

の場合の起電力です。 水素よりイオン化傾向が大きい金属を酸で溶解すると水素が出てくるように、イオン化傾向は水素(H2)が1つの基準になっています。そこで亜鉛と亜鉛電極に、水素を飽和させた酸溶液に白金電極を浸した半電池を付けた電池を考えます(標準水素電極)。イオン化傾向より亜鉛が−極、白金電極が+極に

   Zn|Zn2+‖H+(1mol/l)|Pt,H2(1気圧)

なります。白金電極の電位を0Vと決めると、測定される電池の電位は 亜鉛−亜鉛イオンの電位となります。

同様に、H2,Pt|H+(1mol/l)‖Cu2+(1mol/l)|Cu の電池を考え、電位を測定するとCu−Cu2+の電位が測定されることとなります。これらの半電池の電極電位を標準電極電位とよんでいます。

 

 

 

          標準電極電位/V,25℃

Li+/Li −3.045        K+/K −2.925

Ca2+/Ca −2.866   Na+/Na −2.714

Zn2+/Zn −0.763   Fe2+/Fe −0.440

Cd2+/Cd −0.403   Pb2+/Pb −0.126

2H+/H2 0    

Cu2+/Cu +0.337  Ag+/Ag +0.799

OH-/O2 +0.401    I-/I2 +0.535

Hg2+/Hg +0.792   Br-/Br2 +1.075

Cl-/Cl2 +1.359      F-/F2 +2.65

 

先ほどの電池ではZn2+/Zn  −0.763V

Cu2+/Cu  +0.337Vの値が出ています。

 

電池の標準電位はE°は右側の還元の標準電極電位E°から

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左側の酸化の標準電極電位E°を差し引く事で得られるので

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0.337V−(−0.763V)=1.1Vとなるわけです。