SWOT分析
swot analysis / スウォット分析
 主にマーケティング戦略や企業戦略立案で使われる分析のフレームワークで、組織の強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4つの軸から評価する手法のこと。
 SWOT分析の目的は、その企業・組織が持っているビジネス機会や外的脅威などの「外部環境分析」と、コア・コンピタンスや組織体制などの「内部要因分析」から、自社の位置付けを総合的に判断することにある。
 外部環境分析はさらに、経済状況や技術革新、規制などの「マクロ要因」と、自社の顧客や競合他社との関係、予測されるビジネス機会といった「ミクロ要因」に分けられる。内部要因分析とは、その企業が持っているリソース(人材、金、技術、IT環境、情報、拠点など)について強み・弱みを分析していく。
 外部環境分析で扱う要因は、基本的にその企業・組織の力で変えることが不可能なもの。対して内部要因分析で使われる項目は、その組織内で改善していけるものだ。
 通常、2×2の軸でマトリクスを作り、想定されるビジネスチャンスにどのように強みを発揮できるか、逆に足を引っ張る要因が何かを特定・把握することで、それに対する対処策を立案し、実行する。
 
 ただし、SWOT分析は「強み」「弱み」といった主観的で範囲や定義もあいまいになりがちな要素を使って分析を行うため、需要や利益率の予測といった詳細な分析、あるいは長期的な戦略立案には不向きである。
http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/swot.html
チュウ
コア・コンピタンス
core competence / コアコンピタンス / コア・コンピュタンス
 顧客に対して価値提供する企業内部の一連のスキルや技術の中で、他社がまねできない、その企業ならではの力。競合他社に対しては、経営戦略上の根源的競争力につながるものであり、他社との提携などの際に相手に与える影響力や業界イニシアティブの強弱のキーともなる。
 提唱者のゲイリー・ハメル(Gary Hamel)とC・K・プラハラード(Coimbatore K.Prahalad)は、Harvard Business Reviewに掲載した論文「The Core Competence of the Corporation」(1990年)で、「コア・コンピタンスは組織内における集団的学習であり、特に種々の生産技術を調整する方法、そして複数の技術的な流れを統合するもの」と定義した。
 続いてハメルとプラハラードは、1994年に「Competing for the Future」を出版し、広く世界にこの言葉が知られるようになった。同書ではコア・コンピタンスと企業力や個別スキルとの違いをフェデラル・エクスプレスの場合で示して、「物流(メタ企業力)−パッケージの所在追跡(コア・コンピタンス)−バーコード技術(構成スキル)」と説明している。そのほかのコア・コンピタンスの例として、ホンダのエンジン技術、ソニーの小型化技術、シャープの薄型ディスプレイ技術などを挙げている。
 ここで「技術」といっているが、コア・コンピタンスは具体的なテクノロジや特定の製品やサービスの上位に置かれる概念で、製品・サービス、技術、資産、インフラストラクチャ、ビジネスユニットなどに代わる経営資源のとらえ方の1つといえる。同書でも「コア・コンピタンスは一見かけ離れたように見える事業の集まりをつなぎ合わせる結合材である。コア・コンピタンスは、管理職がある事業から得られる洞察力や経験を、他の事業にも展開できるようにする共通語である」と述べ、長期的な視点で戦略策定や分析を行う場合、製品やサービス、ビジネスユニットを単位で考えるよりも適しているとされる。
 一般に、コア・コンピタンスに経営資源を集中し、不得意分野について外部資源を活用(アウトソーシング)する経営戦略を「コア・コンピタンス戦略」というが、ハメルとプラハラードは前掲書において、「コア・ビジネスに固執していると、自社のビジネスチャンスの範囲を狭め、新しい競争の場を作る可能性を自ら閉じてしまうことになる」として、非戦略的な“選択と集中”や利益至上主義に基づく“リストラクチャリング”に否定的で、「コア・コンピタンスを基盤に多角化を進めるとリスクは小さくなるし、投資も減り、優れた実践例を事業部間で動かす機会も増える」と述べている。
http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/corecompetence.html