第3章 企業年金の使い方を考えましょう
〜企業年金の受け取り方〜
 
この章では、企業年金がどのように皆さんの暮らしやライフプランにかかわってくるか、お話しましょう。 企業年金がみなさんの暮らしやライフプランに大きな影響を与えるのは、「お金をもたらす」からです。人生を送るため、生活をするために大切なお金が手に入るのです。
企業年金は一般的に、老後の生活費を補填するために支給されることが前提となっています。しかし、それは企業年金のある企業に定年まで勤めた場合に当てはまるのです。現実には、途中で退職したり、転職する場合もありますし、転職した先の会社には企業年金のあるところとないところ、いろいろな場合があります。つまり、企業年金は、受け取る金額も方法も人によって違い、それに応じて使い方も違ってきます。
企業年金の受け取り方と使い方
企業年金の受け取り方法には、「年金」と「一時金」の二つがあります。この受け取り方の違いによって、年金の使い方も変わってきます。
企業年金の目的は、一般的には「老後の生活費の補填」ですが、「一時金活用のメリット」もあります。「年金」で受け取るなら、定期的な収入になりますので、生活費に向いています。これに対し、「一時金」での受け取りはまとまった額になります。そのお金を貯蓄して生活のために使うことも出来ますが、まとまった額であることを活かし、住宅などのローン返済に充てるといった使い方も出来ます。企業年金を「一時金」で受け取り、なるべく早い時期に繰上げ返済に当てれば、ローンの利息支払を何百万円分も節約できるでしょう。
 
年金 老後の生活費
一時金 老後の生活費、住宅ローンの返済、住宅の改修(リフォーム)、独立・起業等の資金、趣味やセカンドライフのための資金、予備資金 など 
 
企業年金の内容確認
しかし、年金の使い方を考える前に、自分の加入している企業年金の内容を確認する必要があります。つまり受け取り方、受け取る時期、受け取る金額のことです。いくら「一時金」で受け取りたくても、「年金」でしか受け取れない場合もあります。また、金額が少ない場合は「年金」で受け取っても仕方ないと思う人もいるでしょう。受け取り方法を選べる場合には、あなたにとってどのような受け取り方が有利か、判断しなければなりません。
ライフプランニング(生活設計)を考える際は、老後の暮らしに必要な生活費を算出し、公的年金の受け取り額を把握した上に、あなたの企業年金の内容をプラスして考える必要があります。 この後の章でも、それぞれの企業年金の受け取り方について説明していますので、使い方を考える参考にして下さい。
(参考)公的年金の受取額シュミレーション